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知財の勝ち組み企業と負け組企業が既に見えてきている

2011年02月11日00:27

コンサル業務やセミナー等を通じて、色々な企業の方とお話する機会が多くあります。最近特に感じることは、トップ企業間でも知財活動の改革に差が出てきた気がします。
改革の進んでいる企業様は、改革をさらにスピードアップさせ積極的に進められています。総じて知財とR&Dとの良好な関係は既に出来てきており、その次のステップとしてイノベーション活動と知財活動の整合性をどのように取ってシナジーを生むかといった段階にきておられます。
その他の企業様は、総論賛成だけど何故今やらなければならないのかとか、処理業務で忙しくてそれどころではないとか、出来るところからやりますとか、色々とお聞かせ頂けます(笑)。

一番感じる違いは、リーダーの方の改革達成までの時間に関する考え方だと思います。時間=コストという考え方はリーダーとして必須の考え方です。やはり、「もっと前へ、さらに前へ」ですね。また、短期間に改革の意識が浸透出来なければ人材育成もそれだけ遅くなり、フラットな知財の組織では大きなダメージとなります。

ということで、知財の勝ち組み企業と負け組企業が既に見えてきているような気がしました。

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本日の日経の一面:特許法改正案について、ちょっと一言

2010年11月30日18:04

知財関連が一般紙の一面で扱われることは少ないので、本日の特許法改正案の記事について、弊ブログでもタイムリーに書かせて頂きます。(TIさん、リクエスト有り難うございます!)
特許制度小委員会等で論点とされていた中から、見送られた職務発明以外の下記2点が改正の候補となる様です。

(1) 使用権の確保
特許使用権(ライセンス)の保護強化を目的として、特許庁に特許利用に関する当事者間の契約を登録していない企業が買収され、特許の所有権が移転すると、特許のユーザーは利用差し止めや損害賠償請求を起こされる可能性がありますが、特許保有企業が経営破綻したり、買収されたりしても、ユーザーの使用権をそのまま認めるように変更するとのこと。
 最低限の使用権は認められそうなので、最低限の継続的な生産は可能かもしれませんが、ビジネス上の力関係が変わってしまう可能性は残るでしょう。ライセンス実務では、この論点が一番重要で、契約解消や賠償等を含めてライセンサーとライセンシーで一番議論になるところですので、実務上は大きく変わることは余りないかもしれません。

(2) 特許横取りの救済措置(ミスリードしそうですが、記事の文言のままです)
本来の発明者でない人や企業が出願して得た特許の名義を、訴訟を通じて真の発明者に変更できるようにし、現行法では事実上、特許を無効にする以外に真の発明者が対抗する手段がなく、再出願も極めて制約が大きいので、下請け企業が取引先にアイデアを盗まれたり、共同研究者が抜け駆け的に特許を取得したりすることを防げるようになるとのこと。
 記事の様に、欧米では同様の制度も確かにありますが、発明の同一性や出所の立証も必要ですので、先願主義を徹底することが大前提なのには変わりないでしょう。

また記事では、経済のグローバル化に対応して日本企業の知的財産を保護するのが狙いで、研究開発やイノベーションを後押しするとの趣旨ですが、イノベーションと直接関係があると言われると???な感じもします。
しかし、上記(1)・(2)共に、実務上は最後の城壁を強化した形ですので、中小や零細企業、ベンチャー等の視点では有用であり、確実に前進していると感じですので個人的には大拍手です。

また、上記のように正しい知財法務(含む、技術法務)活動をしている企業では余り大きな影響はないと推察しますが、、、、最近ライセンス関連のご相談が実に多く、一流企業様であっても、きちんと議論して交渉段階からエビデンスやファクトをしっかり押さえる等の知財法務の基本動作が出来ておらず、土台がぐらついており、実質上リスクヘッジが出来ていないことを垣間見ており、非常に危惧しております。
この法改正を契機として、上記の論点に対して知財法務の観点でリスクヘッジ出来ているかを総点検して、問題があれば警鐘を鳴らし、交渉スキームやプロトコルの標準化やひな形の再構築等をされては如何でしょうか?

追伸:前記委員会の委員の全国イノベーション推進機関ネットワーク 事業総括の前田裕子さんとは以前某企業の若手技術職同士で、あの頃前田さんは白衣で、私は作業ジャンパー姿でした。ある知財のセミナーで**年ぶりにお会いし、2人共にあっという間に昔に戻ってしまい、「しかし、お互いに知財の世界に居ること自体も不思議だねー」など暫しお話しすることが出来ました。知財の世界は本当にsmall worldです。

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登録率2%?からの逆転の特許査定

2010年11月23日22:53

今日は、長期でお世話になっているクライアント様と特許事務所のご担当者様と、重要特許の『特許査定』の打上げでした。
ご縁があったのは、MBAの友人のご紹介でランチをご一緒したときに、「実は、何件も特許出願して意見書・補正書を提出したり、審判をしたりしても重要出願が登録に出来ない」、というご相談が発端でした。問題の明細書を確認すると、当初明細書が請求項:60以上、総ページ:40以上のうち補正書に使えそうな記載はたった9ページのみという、一昔前の新宿の歌舞伎町のぼっ○くり系の明細書でした(言い過ぎですね、ごめんなさい)。
技術内容自体もかなり難易度が高いのですが、さらにソフトやネットワークも絡んでおり、きちんと理解しないと真の発明は掴めそうにありません。出願時は、折しもビジネスモデル特許の出始めの時期でもあり、書き手も慣れていないことは分からないではありませんが、出願時に担当された特許事務所のご担当者も技術内容の理解が心もとないので、前出のような質より量で補填する出願形式になってしまったのだと思います。しかし、その後の対応がまずかった。拒絶理由についてクライアント様に十分に状況の説明責任が果たされておらず、そのまま審査は進み+費用が嵩み、そして信頼も徐々に失われて行ったのです。

そこで、長年の友人でもあり信頼出来る特許事務所の弁理士・Hさんに中途受任をお願いしました。メンバーは整いましたが、奈何せん拒絶理由は29条柱書をはじめ、条文のフルラインアップであり、審査官に初回にコンタクトしたときにも、「類似の多数の案件でも審判をしても駄目で、本件も分割出願だし、登録率は2%程度も無いので、無駄なんじゃないの?」と言われた案件で、私の知財屋経験でもTOP 10に入る難しい中間処理だったと思います。
分割後の自発補正、拒絶理由の応答、そして審査官殿との面接とどれ一つとして、またクライアント様・特許事務所・弊方の誰か一人でも気を抜いたら、絶対に特許査定にはならなかっただろうと思います。正に、薄氷の上を歩くように周到に遂行して、素晴らしいチームワークで手に入れた『特許査定』でした。

ということで、打ち上げ時の関係者の嬉しそうな顔を特許査定の記念としてアップしておきます。
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三位一体と、(2+1)位一体とは全く異なる

2010年09月05日12:54

経済産業省・特許庁監修の「事業戦略と知的財産マネジメント」を購入してみました。この本は関係者の先生が書かれた本が基になっていると思います。多様なビジネスモデルに層別され、夫々の知財戦略をまとめられた力作であります。また、知財に関わる者に事業戦略やビジネスモデルとの関係が重要であるとの示唆に富んだ内容となっていると思います。が、しかし、私はある違和感を覚えてしまいました。
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色々なビジネスモデルで成功している企業を総花的に解析されているので、成功の要因のうち知財戦略がどのように関わっているのかまで分かりますので非常にinformativeだとは思いますが、逆に日本のイノベーションが不得意としている他社が模倣困難な自社独自のビジネスモデルやビジネスシステムを構築して障壁を形成する独自障壁の形成のために知財がどのように動けば良いかといったところのinsightfulという観点では少し残念に感じました。(私以外にも同様なコメントをブログに書かれている方がおられますね。)何故ならば、知財に関しては発明が創造された以降のお話が中心となっており、現状の多くの知財部門の関与の仕方と大差がなかったからです。
しかし、この大差が無いというころに日本の知財活動の現場に大きな問題が潜んでいると私は考えます。勘の良い方は表題からお分かりと思いますが、この本においても知財戦略の土台となる思想が従前の(2+1)位一体の最後の+1の後工程が知財となっており、知財側からイノベーション創造への直接の関わる発想が乏しいことに、私は前記の違和感を覚えたのでしょう。また、真の三位一体とは、三位が同進行で一体的になったときに化学的な融合反応を発揮してイノベーティブな創造が生まれることであり、そのような仕組みづくりやシステム化が知財部門には重要なのです。ですから、知財部門は+1の思想からの早期の脱却が必要です

では、知財部門だけ後付けの(2+1)位一体にならずに、イノベーションの創造現場でも同時期に三位一体になるためにはどのように関与すれば良いのでしょうか?
これにはマインドセットと現状の知財の仕事の仕方を大きく変革させる必要性があります。

それはまた次回に。

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課題探求の深堀レベルを明確に定義すれは、技術者もモチベーションも大幅UPする

2010年08月18日23:49

さて、前回お話しした特許分析の最大の問題点として、明細書から解決手段は読み取れるとしても、企業が一番知りたい真の「課題」=論点は直接明細書から読み取り難いということを指摘しました。

また、分析の際には「課題」をどこまで深堀すれば良いのかというレベル感が大切で、それには「課題」の文言の定義をきちんとする必要があります。私の場合には個人的に、「ここを掘って技術的にブレークスルーすれば良いという技術的なメカニズム=技術的な論点」(セミナー等では”ここ掘れワンワン”と説明しています)と定義しています。メカニズムという文言は、開発者であった時に上司から再三再四問い続けられてきた忘れられない耳蛸の文言でもあります。逆に言うと、「ここしか議論しない、開発しない(勿論、ここしか出願しない)」という意思決定と同義となります。
 ∵ 戦略とは捨てることなり!
それには、きちんとした分析のアプローチ、そして、結果を導き出すロジックの構築が必須となります。
一般的に知財屋が使う「課題」だと総花的なあれもこれもといったレベルに拡散してしまいがちで、それではR&Dや事業部には有効な情報を提供できませんし議論すらすることが出来ず、技術者のモチベーションUPや出願活動の積極的な参加をお願いすることも不可能です。加えて、前記のような拡散型の出願戦略では有効なパテント・ポートフォリオ(特許群)を構築することが出来ません。

ここまで精査するのは大変な努力と覚悟が必要です。そのためには繰返しになりますが、単なる課題探索ではなく、もっと深く技術的に技術的な課題の事象をメカニズムとして理解する必要があります。私の経験からも、重要テーマ活動としては系統図で課題の掘り下げを4階層以上の検討にしてから、メカニズムを探索するという活動をMUSTとしてから、やっと成果が出てきました。

さて、現在クライアント様との共同検討で競合の特許や技術分析をしているのですが、競合の製品群や新製品でも技術的には完全にブレークスルーは出来ておらず、開発上のジレンマに陥っているロジックを究明しつつあります。次回からは、このロジックの仮説を更なる情報収集で検証していきます。今日の打合せでは、知財とR&Dが一枚岩の良い感じのチームワークになってきました。 30分打合せ時間超過でしたが、こうじゃなくっちゃ!


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プロフィール

山崎 忠史 (渾称:ただす隊長)

Author:山崎 忠史 (渾称:ただす隊長)
会計系コンサルティングファームにて、上場企業を中心とした知財戦略支援のアドバイザリーやコンサルテーション、M&A等の知財・技術のデューデリジェンスやバリュエーション等の価値評価・価値算定の業務に従事。特に、特許情報や事業情報等から技術ロードマップ作成しての詳細なR&D分析が得意。

大手メーカーでの開発部門や知財部門のマネージャー(2社)を歴任した経験を生かしつつ、三位一体の戦略(事業戦略・技術開発戦略・知財戦略)に「競争戦略」を切り口とした新しい知財戦略思想とイノベーションの関係を、コンサル実務とアカデミックの両面から問い続ける毎日。

・早稲田大学ビジネススクール(MBA・夜間主)・市場競争戦略モジュール(内田和成ゼミ)卒
・東京工業大学 イノベーション研究科、イノベーション専攻、博士後期課程(田中義敏ゼミ)在学中
・技術士(機械部門)

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