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本日の日経の一面:特許法改正案について、ちょっと一言

2010年11月30日18:04

知財関連が一般紙の一面で扱われることは少ないので、本日の特許法改正案の記事について、弊ブログでもタイムリーに書かせて頂きます。(TIさん、リクエスト有り難うございます!)
特許制度小委員会等で論点とされていた中から、見送られた職務発明以外の下記2点が改正の候補となる様です。

(1) 使用権の確保
特許使用権(ライセンス)の保護強化を目的として、特許庁に特許利用に関する当事者間の契約を登録していない企業が買収され、特許の所有権が移転すると、特許のユーザーは利用差し止めや損害賠償請求を起こされる可能性がありますが、特許保有企業が経営破綻したり、買収されたりしても、ユーザーの使用権をそのまま認めるように変更するとのこと。
 最低限の使用権は認められそうなので、最低限の継続的な生産は可能かもしれませんが、ビジネス上の力関係が変わってしまう可能性は残るでしょう。ライセンス実務では、この論点が一番重要で、契約解消や賠償等を含めてライセンサーとライセンシーで一番議論になるところですので、実務上は大きく変わることは余りないかもしれません。

(2) 特許横取りの救済措置(ミスリードしそうですが、記事の文言のままです)
本来の発明者でない人や企業が出願して得た特許の名義を、訴訟を通じて真の発明者に変更できるようにし、現行法では事実上、特許を無効にする以外に真の発明者が対抗する手段がなく、再出願も極めて制約が大きいので、下請け企業が取引先にアイデアを盗まれたり、共同研究者が抜け駆け的に特許を取得したりすることを防げるようになるとのこと。
 記事の様に、欧米では同様の制度も確かにありますが、発明の同一性や出所の立証も必要ですので、先願主義を徹底することが大前提なのには変わりないでしょう。

また記事では、経済のグローバル化に対応して日本企業の知的財産を保護するのが狙いで、研究開発やイノベーションを後押しするとの趣旨ですが、イノベーションと直接関係があると言われると???な感じもします。
しかし、上記(1)・(2)共に、実務上は最後の城壁を強化した形ですので、中小や零細企業、ベンチャー等の視点では有用であり、確実に前進していると感じですので個人的には大拍手です。

また、上記のように正しい知財法務(含む、技術法務)活動をしている企業では余り大きな影響はないと推察しますが、、、、最近ライセンス関連のご相談が実に多く、一流企業様であっても、きちんと議論して交渉段階からエビデンスやファクトをしっかり押さえる等の知財法務の基本動作が出来ておらず、土台がぐらついており、実質上リスクヘッジが出来ていないことを垣間見ており、非常に危惧しております。
この法改正を契機として、上記の論点に対して知財法務の観点でリスクヘッジ出来ているかを総点検して、問題があれば警鐘を鳴らし、交渉スキームやプロトコルの標準化やひな形の再構築等をされては如何でしょうか?

追伸:前記委員会の委員の全国イノベーション推進機関ネットワーク 事業総括の前田裕子さんとは以前某企業の若手技術職同士で、あの頃前田さんは白衣で、私は作業ジャンパー姿でした。ある知財のセミナーで**年ぶりにお会いし、2人共にあっという間に昔に戻ってしまい、「しかし、お互いに知財の世界に居ること自体も不思議だねー」など暫しお話しすることが出来ました。知財の世界は本当にsmall worldです。

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プロフィール

山崎 忠史 (渾称:ただす隊長)

Author:山崎 忠史 (渾称:ただす隊長)
会計系コンサルティングファームにて、上場企業を中心とした知財戦略支援のアドバイザリーやコンサルテーション、M&A等の知財・技術のデューデリジェンスやバリュエーション等の価値評価・価値算定の業務に従事。特に、特許情報や事業情報等から技術ロードマップ作成しての詳細なR&D分析が得意。

大手メーカーでの開発部門や知財部門のマネージャー(2社)を歴任した経験を生かしつつ、三位一体の戦略(事業戦略・技術開発戦略・知財戦略)に「競争戦略」を切り口とした新しい知財戦略思想とイノベーションの関係を、コンサル実務とアカデミックの両面から問い続ける毎日。

・早稲田大学ビジネススクール(MBA・夜間主)・市場競争戦略モジュール(内田和成ゼミ)卒
・東京工業大学 イノベーション研究科、イノベーション専攻、博士後期課程(田中義敏ゼミ)在学中
・技術士(機械部門)

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